工学研究科 Graduate School of Engineering

※設置認可申請中

学びの 特長

工学研究科は、科学と技術の融合である工学の領域において、真理の探究と知の創造を重視し、自然環境と調和する科学技術の発展を図ります。
次世代の都市の創造に向け、地球的観点から多面的に諸問題を解決し、卓越した学術・技術そして新産業の創生などにより持続可能な社会の発展と文化の創造に工学的に貢献することを教育・研究の理念とします。
この理念のもと、7専攻の幅広い学問体系を擁する研究科として世界トップクラスの研究成果を示し、世界中から優秀な学生・教員が集う場を形成することにより、多様な工学分野が融合する環境の中で学ぶ学生が一つの専門分野では解決できない課題を解決する能力を持った人材を養成します。
また、「教育」「研究」「社会貢献」の基本3機能の一層の維持・向上を図るとともに、これらに加えて、「都市シンクタンク」・「技術インキュベーション」の2つの機能を強化・充実し、大阪および世界に貢献する研究科をめざします。

航空宇宙海洋系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
35名 4名

機械系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
86名 8名

都市系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
54名 6名

電子物理系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
80名 8名

電気電子系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
45名 5名

物質化学生命系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
145名 19名

量子放射線系専攻 入学定員

博士前期課程 博士後期課程
7名 3名

※定員はいずれも予定

養成する人材像

教育・研究を実施し、人と社会と自然に対する広い視野と深い知識を持ち、豊かな人間性、高い倫理観、高度な専門能力を兼ね備え、工学における重要な課題を主体的に認識して問題の解決に努め、社会の発展、福祉の向上および文化の創造に貢献できる、科学を基礎とした柔軟な工学的センスを備えた技術者・研究者を養成します。
博士前期課程においては、工学分野の広範な専門知識の教授と研究指導を通して、基本的研究能力と問題解決能力を培い、人類社会と自然環境に対する強い責任感と倫理観を備え、自ら知的資産を創造し、工学分野の新領域を開拓できる技術者・研究者を養成します。
博士後期課程においては、工学分野の高度な専門知識の教授と研究指導を通して、人類社会と自然環境に対する強い責任感と倫理感を備え、先導的な工学領域を創生できる能力と広範な視野と深い学識に基づき、自立して研究活動を行い、その成果を総合評価する能力を培い、新しい知識を体系化できる技術者・研究者を養成します。

航空宇宙海洋系専攻

航空宇宙海洋系専攻は、航空機や宇宙航行体ならびに船舶や海中航行体等、人類のフロンティアにおける近未来の人工システムの考案、設計、開発、製造、運用や創造に貢献します。さらに、地球全体を俯瞰的に捉えることにより、豊かな自然を保全しつつ、エネルギー・資源の持続的な開発を可能とするフロンティアの新たな利用をめざします。航空宇宙工学分野および海洋システム工学分野の基盤的技術の有機的な連携により、全地球的な視野から人類の持続可能な発展と地球環境の保全との調和をめざす先端的総合工学分野を開拓し、未来を担い国際的に活躍し得る技術者・研究者を養成します。

機械系専攻

機械工学は、「機械」という範疇に含まれる「もの」を対象として、「ものづくり」のための学理の構築と「もの」の創成・開発・設計・生産・運用を目的とした、工学の基盤分野です。本専攻では、機械工学を中心とした幅広い学理、専門知識、論理性、創造性と、豊かな人間性、倫理観を持たせることにより、機械工学を含む幅広い分野における重要課題を、材料からシステム、環境、エネルギーまで、原子・分子レベルのナノ・マイクロスケールから社会のマクロスケールまで、多角的、俯瞰的な視点で認識・考察して、人にも環境にも優しい持続可能な社会の構築に向け、先導的にその克服・解決を発想し実践する技術者・研究者を養成します。

都市系専攻

「持続可能な成熟都市」を実現するためには、自然科学・工学にとどまらず、人文・社会科学に至るまで、幅広い領域の知識・技能を統合する必要があります。都市系専攻では、地域・社会が抱える課題に関連する研究を進展させ、最新の研究成果を教育に反映させることにより、都市に関する問題解決のために主体的に行動できる、あるいは指導的な役割を果たすことのできる人材を養成します。教育カリキュラムとして、計画系、環境系、構造系科目から構成される講義科目と、技術力、実践力、応用力などを修得するための演習科目を提供し、指導教員が指導する特定の専門分野に関する特別演習を通じて、主体的に行動できる技術者・研究者を養成します。

電子物理系専攻

電子物理工学はエレクトロニクスを支える幅広い学問領域です。この電子物理工学によって実現される技術として、電子の電荷としての性質を利用するもの、電子のエネルギー的遷移によって生じる光を利用するもの、電子のスピンを起源とする磁性を利用するものが含まれます。電子物理工学は電子物性と電子材料に関する学問に大別され、これらは電子物理工学の両輪となっています。また、今後のサステイナブルな社会のためのSociety 5.0の実現のため、新奇なデバイス開発が必要です。本専攻では電子物理工学の研究を強力に推進し、研究成果を社会に還元するとともに、課題設定などの高度な能力を有する人材を養成します。

電気電子系専攻

地球環境と調和したサステイナブルな循環型システムやIoT技術を介してサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合したスマートコミュニティー社会の実現には、電気工学、情報通信工学、システム工学を基礎とした電気電子システム工学の知識が不可欠です。本専攻では、電力システム、パワーエレクトロニクス、システム制御技術、情報通信技術、ネットワーク技術、光電子システム、センシング、知能ロボティクスや生産システム設計・管理技術に関する高度な専門知識を持ち、電気電子システム工学領域における課題を自立して探求し、人と環境に優しいスマートコミュニティー社会の創生を担う技術者・研究者を養成します。

物質化学生命系専攻

物質化学生命系専攻では、応用化学分野、化学工学分野、マテリアル工学分野、化学バイオ工学分野の4分野の有機的な連携により、物質科学をベースとして、教育・研究を進めます。本専攻では、人類社会の持続的発展をめざし、物理学、化学や生命科学に基づく人と環境に優しい新素材の開発、および有限資源の有効かつ循環的な活用を可能とする新しい物質や製造プロセスに関する科学技術の創造により、地球環境と調和した豊かな社会の構築に貢献する技術者・研究者を養成します。

量子放射線系専攻

量子放射線工学は放射線や量子ビーム、ナノテクノロジー等の新しい科学や技術をさまざまな分野へ応用する研究分野です。量子放射線の応用は放射線によるがん治療、放射線殺菌、量子デバイス、新材料創成など未来に向かって展開が期待されています。このような最先端の科学技術を取り扱うためにはミクロな世界の法則を知る量子科学をはじめ、放射線に関する高度な専門知識ならびに応用技術に関する幅広い知見を修得することが必要です。また科学的な知識に加えて安全のための法令に関する知識も大切です。本専攻では量子放射線の知識と実践的経験を基に豊かな未来社会の実現に貢献できる高い倫理観や責任感、使命感を持った技術者・研究者を養成します。

博士前期課程

工学研究科の教育研究上の理念・目的を踏まえ、学部と大学院博士前期課程のそれぞれにおいて完結性を持たせた教育を行いつつ、学部から大学院に至る教育を行うことのできる体系化された教育課程を編成します。
授業科目は、特論等の講義、特別演習、特別研究により編成し、特論等の講義により、専門分野に関する高度な専門知識を獲得します。特別演習では、学生の専門および周辺分野についての調査・討論・実験等を通じて、幅広い専門知識を習得させるとともに、問題の分析・総合・評価能力を高めます。特別研究では、理論・実験などの研究指導の下に修士論文を作成し、専門的な課題についての研究能力と問題解決能力を培います。

博士後期課程

自立した研究者として活躍できる創造的研究開発能力とともに高度な指導能力を養成するため、指導教員が学生の研究目的に合わせ、個別に履修指導を行うとともに、マンツーマンの研究指導を行います。
授業科目は、特別演習、特別研究により編成し、特別演習では、学生の研究課題および周辺分野の最新の研究動向に関する調査、討論、実験等を通じて、特定分野の深い専門知識と周辺分野の幅広い知識を修得させるとともに、問題の分析・総合・評価能力および知識の体系化能力を培います。特別研究では、理論・実験等の研究指導のもと博士論文を作成し、自立した研究者となるために必要な研究計画能力と総合評価能力を培います。

TOPICS 1

全固体電池の研究開発

脱炭素社会の実現に向けて、無尽蔵の自然エネルギーを効率よく利用するためには優れた蓄電池が必要です。充放電できるリチウムイオン電池(LIB)が広く普及していますが、この電池では液体の有機電解質が使われており、液漏れや可燃性による発火などの課題があります。それを固体の無機電解質に置き換えた全固体電池は安全性や長寿命に優れ、大きなエネルギーを貯蔵できるため、電気自動車や家庭用定置電源としての利用が期待されていますが、未だ実用化には至っていません。
全固体電池の実用化を実現するためには、新物質の探索と開発がポイントになります。一般的には固体内をイオンが高速に動き回るのは難しいことが知られていますが、LIBに使用されている電解液よりも速くリチウムイオンが動くことができる固体の電解質を開発しました。写真は、開発した固体電解質を使用して作製した"全固体電池の断面電子顕微鏡像とLEDが点灯している"様子です。また、最近ではナトリウムイオンが高速で移動できる固体電解質も発見しました。資源量の豊富なナトリウムを活用した全固体電池は資源に乏しい日本でこそ開発すべき電池系と考え、研究開発に取り組んでいます。
物質化学生命系専攻では、企業や国からの研究支援を受けながら、分野横断型の全固体電池研究に取り組みます。全固体電池は構成材料がすべて固体なので、広い温度領域で安定で、利用できる環境が広がるため、将来は宇宙用途としても活用できるかもしれません。本学で最先端の"知識と技術"を身に付けて、日本を牽引していく全固体電池の開発に皆さんも参加しませんか?

TOPICS 2

工学から医療へのアプローチ

社会に役立つモノづくり・事づくりをモットーとする工学研究科、特にマテリアル開発やシステム構築に関連する多くの研究分野を有する工学研究科では、これまでも医療に役立つ新材料や新規診断システムの開発研究を医学部と連携しながら推進してきました。例えば、抗体医薬や核酸医薬などのバイオ医薬品の開発に関する基礎研究、フレキシブルデバイスやプラズマ・超音波を用いたバイタルデータセンシングや新規診断技術開発、知能ロボティクスを用いた見守りシステム、スマートマテリアルを用いた薬物送達システム等々です。工学研究科は健康・長寿社会の実現に必要な再生医療やがん治療に資する最先端医療工学技術を実現するための基盤構築をめざし、今後も分野横断的に連携しながら研究を推進し、「スマートエイジングシティ」をめざす大阪へ、さらには大阪から国際社会に発信していきます。
また、医療工学の基礎となる化学工学、合成化学、高分子科学、抗体工学、プラズマ工学、センシング工学、イメージング工学の融合研究や医学との連携を通じて、複合的な視点・分野を横断する知識を身に付けた人材を養成し、社会に提供する役割も担います。工学研究科提供の共通科目である「バイオデザイン」は医学部附属病院と連携した問題解決型授業であり、医療現場の課題特定から解決までに必要な複眼的な考察力や俯瞰的知識および問題解決能力を修得し実行できる人材を養成します。

専攻 研究テーマ 教員名
航空宇宙海洋系専攻 「水槽試験を用いた次世代船舶・海洋開発機器の性能に関わる最先端技術の研究」 片山 徹 教授
「不確定性を考慮した航空宇宙システムの最適設計に関する研究」 小木曽 望 教授
「航空宇宙機の力学と誘導制御に関する研究」 下村 卓 教授
「航空宇宙機の高精度かつ高信頼なナビゲーションに関する研究」 辻井 利昭 教授
「データマイニング手法を用いた海洋環境影響評価手法の構築に関する研究」 中谷 直樹 教授
「AIと数値シミュレーション技術の融合による海洋人工物の自律化に関する研究」 橋本 博公 教授
機械系専攻 「周期的傾斜組成構造を有する合金膜の成膜と機械的特性の研究」 兼子 佳久 教授
「立ち入り困難区域で活動する小型移動ロボットの研究」 高田 洋吾 教授
「植物工場における成長予測制御と生産安定化」 福田 弘和 教授
「プラズマ複合プロセスを用いた排ガス処理技術」 黒木 智之 准教授
「パーソナルモビリティ・ビークルの自動運転」 中川 智皓 准教授
「界面活性剤水溶液流れにおける抵抗低減効果とミセルの高次構造変化の関係」 脇本 辰郎 准教授
「表面粗さを用いた伝熱制御技術に関する研究」 桑田 祐丞 助教
都市系専攻 「視覚障碍者・高齢者の外出意欲増進対話ロボットシナリオの評価」 内田 敬 教授
「南海トラフ巨大地震に起因する大阪市内の津波浸水継続時間に関する研究」 重松 孝昌 教授
「帯水層を利用した蓄熱空調システムの研究」 西岡 真稔 教授
「自己復元型RC構造システムの開発」 鈴木 裕介 准教授
「デザイン・コンピューティングによる形態生成・分析手法の探究」 小林 祐貴 講師
「建築ストック再生の計画・設計技術の開発」 西野 雄一郎 講師
電子物理系専攻 「プラズモニクス、ナノフォトニクスの基盤構築とデバイス応用の研究」 岡本 晃一 教授
「半導体量子ドット秩序構造体の創成と新規光機能解明の研究」 金 大貴 教授
「新機能素子を目指す異種材料直接接合の研究」 重川 直輝 教授
「プラズマ材料プロセスの研究」 白藤 立 教授
「無機ナノ材料を基盤としたフレキシブルエレクトロニクスの研究」 竹井 邦晴 教授
「結晶・電子・スピンが織りなす量子物性とスピンエレクトロニクスの研究」 戸川 欣彦 教授
電気電子系専攻 「ロボットの知能化・センサ信号処理・情報通信技術の研究開発」 田窪 朋仁 教授
「次世代電動車両用高効率モータの研究開発」 森本 茂雄 教授
「浮体式洋上風力発電の高度制御」 原 尚之 准教授
「大容量・省電力な次世代通信技術の実現に向けた高機能光信号処理デバイスの研究開発」 三好 悠司 准教授
「電力システム運用に対する機械学習応用」 高山 聡志 講師
「次世代無線ネットワークにおける通信・計算リソースマネジメント技術の研究開発」 江 易翰 助教
物質化学生命系専攻 「超高性能生体触媒による省資源・省エネルギーバイオプロセス」 荻野 博康 教授
「精密分子設計に基づく機能性高分子材料の開発」 佐藤 絵理子 教授
「構造材料の信頼化向上に関する研究」 瀧川 順庸 教授
「バイオ医薬品の創薬研究」 立花 太郎 教授
「全固体電池にむけた機能性無機ガラスの研究」 林 晃敏 教授
「低侵襲治療を指向したドラッグデリバリーシステムの研究」 原田 敦史 教授
「高機能・高性能な粉体の設計とその創製技術の開発」 綿野 哲 教授
「機能性ナノ材料の新規配向薄膜形成手法の開拓」 岡田 健司 准教授
量子放射線系専攻 「量子ビームを用いた超伝導体の微細加工による新規物性探索とデバイス開発」 川又 修一 教授
「核融合炉ダイバーター構造材の熱制御と中性子照射影響」 松浦 寛人 教授
「放射線治療や高放射線環境での計測を支援する放射線センシング技術の開発」 宮丸 広幸 教授
「古文書の長期保管のための量子ビームによる先進的殺菌技術の開発」 古田 雅一 教授
「量子線を用いた液体および固体内での機能性ナノ材料の研究」 堀 史説 准教授
「殺菌ストレスで発生する損傷菌の動態解析に基づく量子ビーム複合殺菌システムの構築」 朝田 良子 助教

学位

博士前期課程 博士後期課程
修士(工学) 博士(工学)

標準修業年限

博士前期課程:2年
博士後期課程:3年

取得可能資格(予定)

  • 航空宇宙海洋系専攻、機械系専攻、都市系専攻、電子物理系専攻、電気電子系専攻、物質化学生命系専攻:
    高等学校教諭専修免許状(工業)
  • 電子物理系専攻、物質化学生命系専攻:
    中学校教諭専修免許状・高等学校教諭専修免許状(理科)
  • ※一種免許状を取得し、修了要件単位に含まれる科目のほか、大学が独自に設定する科目の履修が必要です。
    (申請中)ただし、文部科学省における審査の結果、予定している教職課程の開設時期が変更となる可能性があります。

自らの知識と経験を世界で活かす

幅広い知識と独創性を武器に、世界へ新材料を報告する先生方・先輩に憧れて進学しました。6年間の研究生活を通じて私自身も国際的に活躍するチャンスに恵まれ、研究留学や国際学会への参加を合わせて9ヵ国に渡航し、研究活動に従事した経験があります。英語でのプレゼンや文化の異なる国で生活を営む体験により、国際観はもちろん、日常的な価値観さえ変わるような5年間を大学院で過ごしました。自由を許してくれた両親への感謝を忘れず、修了後も大学院で学んだ材料研究を通じて国際的に活躍し続ける人生を思い描いています。

大阪府立大学大学院 工学研究科 物質・化学系専攻 博士後期課程修了
(2021年3月修了)
生垣 賢 さん

トヨタ自動車/ダイハツ工業/本田技研工業/デンソー/三菱重工業/川崎重工業/神戸製鋼所/三菱電機/日立製作所/NTTグループ/KDDIグループ/パナソニック/オムロン/京セラ/ダイキン工業/Daigasグループ/関西電力/中国電力/住友電気工業/花王/住友化学/長谷工コーポレーション/鴻池組/西日本旅客鉄道/西日本高速道路/阪神高速道路/大阪市/原子力規制庁/日本原子力研究開発機構 など

杉本キャンパス・中百舌鳥キャンパス
2024年度〜中百舌鳥キャンパス(一部は2027年度〜)

※新大学の組織・カリキュラム・取得可能な免許・資格等は設置認可申請中のため予定であり、今後変更の可能性があります。