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2023年4月11日

新理事長による就任あいさつを実施

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2023年4月1日付で、公立大学法人大阪理事長に福島伸一が就任しました。4月3日には全キャンパスの教職員向けに就任あいさつを行い、就任にあたっての想いや今後注力していきたいことなどを伝えました。

新理事長 就任あいさつ

皆様、こんにちは。4月1日付で公立大学法人大阪の理事長に就任いたしました、福島でございます。就任に当たり、少しお時間を頂いて私の思いを皆様へお話させて頂きたいと思います。

その前に、本日は、教職員67名の皆様方を新しい仲間として大学にお迎えしています。ご入職おめでとうございます。大学を代表して、心よりお祝い申し上げますと共に歓迎の意を表します。これからのご活躍、期待しています。皆様頑張ってください。

 

お話の前に、簡単に自己紹介をさせて頂きます。私は長崎市生まれで、高校まで長崎で過ごし、大学卒業後、パナソニック、当時の松下電器に、創業者松下幸之助さんの「企業は社会の公益で、事業を通じて、社会の発展に貢献する」という考えに共鳴し、入社しました。

その後、社内でキャリアを重ね、パナソニックの副社長を最後に、関西空港会社の社長、2016年からは大阪国際会議場の社長として、事業経営に携わって参りました。今日から皆様と一緒に、仕事できる事を嬉しく思いますし、楽しみにワクワクしています。何卒よろしくお願いします。

 

さて、大阪公立大学は昨年4月に100年を超える歴史を有する2つの大学が統合して、開学しました。この統合という大事業に取り組んでこられた、西澤前理事長のこれまでのご尽力に対し、心より敬意を表しますと共にお礼を申し上げます。

前理事長からそのバトンを引き継ぎ、大阪公立大学を知の拠点として、次の「新たな成長のステージ」へと飛躍、発展させる事が私の使命、役割だと考えています。

大阪公立大学はその規模や広い研究領域を有する、非常にポテンシャルの高い大学であり、私は「新しいステージ」で、そのポテンシャルを大きく開花させ、成長し、大阪・日本の発展に貢献する、そして世界で輝く、そんな大阪公立大学を皆様と一緒に創っていきたいと思っています。

 

先ほど、新体制での第1回の役員会を開催し、役員一同、大学のこれからの成長と発展に向けての思いを共有させて頂きました。

本学の役員体制は、これまでほぼ学内、男性ばかりでしたが、今回新たに4名の外部の民間経営者4名(うち3名は女性の方)お迎えして、経営や国際化、ダイバーシティといった視点で大学経営にご参加いただきます。

また、大学の重要な戦略を議論し、方向づけを行っていた「法人・大学戦略会議」に副学長全員を正式メンバーとしてご参加頂き、大学の経営や運営に法人・大学一体となって取り組んで参ります。併せて、会議の名称も「OMU戦略会議」と変更いたします。

 

また、これに加えて、30歳代以下の若手の教職員からなる、「ジュニアボード」を新設いたします。これは30歳代の若手の皆様に、大学の将来像等議論頂き、前向きな建設的提言・提案を役員会に対して行って頂き、若手の皆様方の意見を経営に反映させていきたいと考えています。詳細は後日お知らせしますので、奮ってのご参加を期待しています。

 

また、大学が持続的成長を果たすためには、自主財源の確保含めて、財務基盤の強化が何よりも重要です。これまでも外部資金の獲得に取り組んで頂いておりますが、今後は更に「大学自らが稼ぐ」というスタンスで目標も定め、その強化に取り組んで参ります。

 

そして、教育・研究・社会貢献という大学のミッションに加えて、「都市シンクタンク」「技術インキュベーション」という本学ならではの役割を果たすためには、財源、人材(人財)、施設、設備などのリソースを大学全体で最適化し、必要なものについては新たな投資を行い、次の成長につなげてまいります。

 

3月上旬、建設中の森之宮キャンパスを視察させて頂きました。

この森之宮キャンパスは2025年秋にオープン予定で、本学の「イノベーションアカデミー構想」の司令塔の役割が求められています。また、1.5期の構想もあり、2028年に大阪メトロの新駅設置も決定されており、私はその少し先を見据え、できる限りの機能を森之宮へ集約する新しいキャンパス構想を検討したいと考えています。森之宮キャンパスで推進する「スマートユニバーシティ構想」を通じ、森之宮キャンパスが大阪東部エリアのまちづくりやスマートシティの牽引役・先導役の役割となることを期待しています。

 

また、寝屋川にある「工業高等専門学校」は2027年度に大学の工学部がある中百舌鳥キャンパスに移転します。高専と大学が同じキャンパスで連携した教育・研究を行うという事は日本初の取り組みです。そのシナジー効果を発揮して頂くよう期待しています。

 

次に大学で取り組みたい4つのテーマについてお話します。

私は市大・府大を含めて、ここ数年、大学の経営審議会の外部委員を担当させて頂いておりましたが、できる限り早く各キャンパスを訪問し、多くの皆様方と意見交換し対話を始めたいと考えています。

また、私は今回の統合によって誕生した大阪公立大学は日本で有数のトップ大学へまた、世界で輝く大学へと成長発展する挑戦権を得て、そのスタートラインについたと思っており、それを実現するため、次の4つのテーマを大学全体で戦略的、かつ重点的に取り組みたいと考えています。

 

まず1点目は、「大学の国際競争力の強化」です。若者人口が減少し、大学間競争が激化する中、日本最大の公立大学という規模と広い研究領域を活かし、大学の総合力を結集し、学内の連携はもとより、学外の皆様との連携・共創を図り、その強化を図ります。

また、これに合わせ、教育・研究の国際化をすすめ、世界大学ランキング200位にも挑戦しますが、まずは「5年後に世界大学ランキング500位」を1つのマイルストーンとして定め、その実現に全学をあげて取り組みます。

 

2点目は、「企業や社会から求められる人材育成・人づくり」です。皆様ご存知の様に、私達を取り巻く環境はDXGXSDGs、少子高齢化など、急速なスピードで大きく変化しています。この様な中にあって、デジタル人材やグローバル人材、又、高度専門人材や文理融合人材などの育成は急務だと思います。是非、国の内外を問わず、社会の様々な場面で活躍できる人材を育成して参りたいと考えています。

 

3点目は「多様性あふれる魅力ある大学づくり」です。同質の中には新しいものは生まれない、多様な組織やチーム、メンバー、価値観の中においてこそ新しいもの、イノベーションが生まれると確信しています。これまで本学は、男性日本人中心になりがちでしたが、今後は女性登用の更なる推進や海外からの留学生や研究者の採用、また日本人学生や教職員の海外留学など、新たな目標設定も含めて戦略的に進めて参ります。これと同時に、学生や教職員の皆さんはもとより、受験生にとっても、大阪公立大学は、ワクワクドキドキするなにかがあるな。キャンパスには常に新しい学びと成長があり、楽しい元気なキャンパスライフが過ごせると思って頂ける様な、魅力ある大学にしていきたいと思っています。

 

4点目は辰巳砂学長が中心となって進められている「イノベーションアカデミー構想」を始めとする、「産・学・官・民の連携と共創・ネットワークづくり」です。これは大学の1丁目1番地の施策であり、現在5つの共創・研究ユニットもすでに始動中であり、これらの更なる推進と大学発のスタートアップの育成と創出の取り組みです。

3月中旬に、ある経済界の会合に出席しましたが、出席されている企業のトップの皆様から、大学に対する多くの熱い期待の声を頂き、改めて(地元)産業界の皆様方の期待に応えていかなければならないと感じました。私自身先頭に立って、大学と産業界、経済界とのネットワークづくりに取り組んで参りたいと思っています。

 

また、スタートアップの創出・育成については、大学発のベンチャー企業は、ここ10年程度で20数社程創業されていますが、大学発のスタートアップは残念ながら近年実績がございません。スタートアップについては、政府も日本の競争力強化の観点から強力に推進されており、私達もフェーズを変え、新しい仕組みを構築し、目標を定め大学発のスタートアップの創出・育成に努め、大阪の新しい産業の創出にも貢献したいと考えています。

 

加えて、私達の活動を社会の皆様から認知評価して頂くためには、戦略的な情報発信が大要です。併せて、大阪公立大学のブランディング・ブランド戦略についても若い人にも参加頂き、その策定と推進を図りたいと考えています。

 

そして、何よりも大切な事は、私達は受験生の皆様やご支援いただいている大阪府市や国、企業の皆様、さらにはご寄付頂いた皆様、そして、青春時代を同じキャンパスで過ごされた多くの卒業生、同窓生の皆様など、多くの方々に支えられている事に感謝し、その期待に応えていくことです。そのために、大阪公立大学は常に社会に開かれた、社会と共生する大学でなければなりません。

 

最後になりますが、「対話と挑戦」。これが私の信条です。まずは皆様方と対話を行いながら様々な事に明るく元気に挑戦し、皆様と一緒に大阪公立大学を大阪で、日本で、世界で輝く大学にしていきたいと思います。皆様方のご支援、ご協力の程何卒よろしくお願いします。私からは以上です。

 

公立大学法人大阪 理事長
福島 伸一